[TD4] TD4について

移転前のサイトからの転記です。日付は当時のものを使用しています。文言などは若干修正を入れています(7年前なので表現が若くて恥ずかしい……一部修正済み)。


TD4関連記事は4bit-CPU TD4で管理しています。


TD4初記事です。下記目次の通りお話したいと思います。

TD4とは

TD4とは「CPUの創り方」という本で製作するCPUの名称です。TD4の構成は以下の通りシンプルなもので、RAMは無く、当然ながら割込み機能もありません。命令フェッチ→デコード→実行→ストアをクロックに合わせてひたすら繰り返す機械です。

  • 4ビットレジスタ×2
  • 4ビット出力ポート(LED)×1
  • ALU:4ビット加算
  • クロック:1Hz / ステップ動作
  • 4ビット入力ポート(スイッチ)×1
  • 8ビットROM(スイッチ)×16アドレス(最大)
  • 命令種:13

TD4が完成したら「カウントダウンタイマのプログラムの実行」を実施させてCPUとして動作している様子を観察したいと思います。その他、基本的なスペックやCPU構成要素の実装方法など、「CPUの創りかた」は、パタヘネ本の次に必読の一冊に分かりやすくまとめられております。興味のある方は是非。

どのように製作する?

TD4はディスクリート部品で泥臭く作るので、巨大なユニバーサル基板上にダイオードや汎用ロジックICをひたすらに並べます。Google画像検索で「CPU TD4」と入力すると目が痛くなるほどの画像が飛び込んできます。この細かい手作業を何ヶ月も続けることになるため相当な労力を要します。今からとっても気が重いです。

回路図は以下です(こちらのページから拝借しました)。右上がROM周りで、手付けだと気が遠くなりそうです。部品を置き換えて楽をしようかと考え中。この回路が一発動作することはないと思いますが、「CPUがなかなか動かなくて」なんて悩み、結構シブイじゃないですか。

製作に至った経緯

TD4はCPUとしての実用性はゼロです。数千円でGHz動作のCPUが手に入る時代にわざわざ自作するメリットなんて全くありません。なのに何故作るのか?それは「俺はCPUを作ったところがある」なんていう一生有効な心の肩書き(?)を手に入れるためです。というのは冗談で、主には以下2点です。

1点目は、以下「CPUの創り方」 著者の言葉に感銘を受け、CPUアーキテクチャを知りたいと思ったためです。

…えーと、CPUに限らないんですが、仕組みが解った方が世の中とか人生は楽しいです。そう思います。だからのこの本を書きました。この世の中にはブラッ クボックスがたくさん存在します。そして全てのブラックボックスを理解するのは不可能です。が、とりあえずあなたにとってのブラックボックスが1つ減った ならば、私はとても嬉しいわけです。

CPUの創り方

仕組みが分かると面白いです。私は時計も機械式が好きです。歯車がこうかみ合って、こう動く。楽しいじゃないですか。やりたいことを探していた自分には、著者のこの言葉が刺さりました。尚、本書は電子工作界隈ではカルト的な人気があり、一時のブームは去ったものの、今もなおTD4関連のWEBページが生まれては消えているようです(このページもその中の1つ)。

2点目は、映画「イミテーション・ゲーム」を観てコンピュータ製作にロマンを感じたためです。本作は、第二次世界大戦中にエニグマ暗号の解読に取り組んだイギリスの暗号解読者アラン・チューリングを描いたものです。ストーリーも素晴らしいのですが何よりエニグマ暗号解読装置が格好いい。ちなみにエニグマ暗号の鍵は「159,000,000,000,000,000,000通り」なので、TD4はおろか現代のスパコンでも太刀打ちできません。どのようにして解読に至ったのか?是非本作を見てみて下さい。

今後の動き

次回はTD4の設計計画を立てたいと思います。実際に作りはじめるのはいつになることやら。言い忘れていましたが納期は今年中です。笑 まったりいきましょう。


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