コンデンサの選定

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コンデンサの選定について考えてみます。設計現場では以下のケースが多いです。

  • コストや供給性の視点から部品技術担当に選んでもらう
  • 従来製品踏襲で何も考えずに選ぶ
  • 無難な定数のセラコンを何も考えずに選ぶ
  • ICの推奨部品を選ぶ

2022年は部品枯渇の真っ只中なので1点目が多いでしょうか。まあこんな世の中なので、どの対応をしても最終的には部品技術のチェックは入りますけどね。ただ、いずれも問題にはなることは滅多にありません。逆に言うとしっかり考えて選定するのは難しい部品でもあります。

突入電流を抑えたいとか、充電/放電時間を管理したいとか、特定の周波数を落としたいとか、目的があればそれこそシミュレーションまでして真面目に選ぶでしょうが、それ以外の場合には滅多に問題にはなりません。ただ「ここにはこのセラコンで大丈夫だろう」といった肌感覚はあるに越したことはないです。この肌感覚を養うには経験によるところが大きいかと思いますが、もう1点、自分の中で理論と言いますか、確固たるロジックを持ちながら設計していると数倍のスピードで養えると思います。レビューで先輩に指摘されたりとか、実動作が想定外だったりとか、自分の持っているロジックが破綻する瞬間があって、その経験で肌感覚を養っていきます。そういう意味で、たとえコンデンサ1個選ぶだけでも、理論を勉強するのは大事だと思うわけです。

コンデンサのサイズを考える

最近、チップコンデンサのサイズ小さくなってきてますよね。2013年の入社時は1005サイズでしたが、ここ数年は0603も増えてきて、そろそろデフォルトサイズになりそうという勢いです。なので「従来製品は1005だったコンデンサを0603に総取っ替えしていいですかね?」といった連絡が来ることが多くなりました。これ、即答できますかね。コンデンサのサイズが何に影響するんだって、気になりますね。

結論から言うと、基本的には問題ありません。周波数特性としてはむしろ良くなるためです。もちろん、小さいサイズの容量がないとか、耐圧が足りないとか、最も基本的な基準はクリアした上でですが。

周波数特性が良くなる理由は寄生L成分が小さくなるためです。

ディレーティングを考える

コンデンサの耐圧はどの程度のディレーティングをみれば良いですかね。社内の設計標準があればそれに従えば良いですが、