Win10へのアップグレードに向けたPCパーツ換装計画

移転前のサイトからの転記です。日付は当時のものを使用しています。文言などは若干修正を入れています(7年前なので表現が若くて恥ずかしい)。


はじめに

今回はPC関連の記事になります。大学2年の頃、当時定番だったASUS P6Tでwin7マシンを組みましたがそろそろガタが来始めています。はじめに私のPCが直面している問題を2点ご紹介します。

  1. 頻繁に電源が落ちる
  2. Win10への無償アップグレード期日が7/16に迫っている

まず1. ですが、ここのところよくPCが落ちます。各パーツの温度チェックやDRAMテストも試しましたがどれも正常なんですよね。ただ光学ドライブを開け閉めすると8割の確率で落ちるので、電源ユニットの故障ではないかと疑っています。このPCを組んで8年目に突入するのでそろそろ寿命かなあ。お金も無いので、まずは電源ユニットの交換程度で済ませて1, 2年後に大規模なパーツ換装といきたいです。

次に2. ですが、嫌々ながらもWin10にはアップグレードしようと思っています(XPを引きずって泣く泣くwin7にした思い出があります)。8年も使ったPCなのでゴミファイルも溜まっているはずです。アップグレードするならクリーンインストールしたいと考えています。

これら2点の問題に対する打ち手として、理想的にはWin10への無償アップグレード後、いよいよヤバくなってきたぞと感じたらパーツ交換に進む……なんですね。8年前のPCにしては高価なパーツを使っているため、どうしても勿体ないと思ってしまいます。ただ某所の情報によると、無償アップグレードされたWin10はプロダクトキーが発行されないためパーツ交換時の認証が通らないらしいです。Win10にしてからパーツ交換するならWin10製品版を買いなさいってことですね。

つまり近いうちにパーツ交換 且つ Win10へ無償アップグレード(クリーンインストール)したいなら、まず7/16までにパーツ交換を済ませてWin7で認証を通し、その後Win10に無償アップグレードすることになります。時間が無い/(^o^)\!!

早速パーツ換装計画を立てたいところですが、最近のPC事情が全く分かりません。笑 CPUに内蔵グラフィックスが搭載されているとかどういうことなんでしょうか。当時の常識が通用しません。まずは勉強からです。

パーツ交換箇所の確認

出来る限りパーツは使い回したい……が、プラットフォームが変わりすぎていてそうもいきそうにない。そのため渋々、CPU、マザボ、メモリはセットで交換することにします。下記がパーツ交換表になります。

項目現状の構成交換後の構成
CPUCore™ i7-920Core™ i5-6500 Processor
CPUクーラーCOOLERMASTER V8 GTS RR-V8VC-16PR-R1
M/BASUS P6TASUS H170 PRO GAMING
MEMORYKVR1333D3N9K3/3G×4Corsair CMK16GX4M2A2133C13
VGAPowerColor HD5770 1GB GDDR5
SOUNDオンボード
SSDCT256MX100SSD1
HDDWESTERN DIGITAL
WD5001AALS 500GB
電源Antec TruePower New TP-650Seasonic SSR-550RMS
光学ドライブDVSM-724S/V-BKPioneer BDR-209XJBK/WS2
OSWindows7 Professional 64bit
PCケースHAF 922 RC-922M-KWN1-GP
WLAN子機ASUS USB-AC56

パーツ選定理由

主観が入っているので自己責任で。自作PCをやっていて一番楽しいのはパーツ選定ですよね。組むのはあまり頭を使わずただただ作業なのでBTOは肯定派です。

電源

選定品:Seasonic SSR-450RMS

おそらく壊れているであろう箇所です。5年保証なのに8年間もよく頑張ってくれました。電源事情は8年前とそこまで変わらないですね。変換効率の80PLUS認証に「PLATINUM」「TITANIUM」が加わったくらいでしょうか。電源はスペックに定量性がないので選定が難しいですよね。

選定その1:OEMメーカーを決める
電源が壊れると他のパーツも道連れにするリスクがありますから、品質が良いものを選びたいところです。80PLUS認証のランクは一番比較しやすい項目なので目が行きがちですが二の次です。品質が良いとはどういうことか?電源の品質は使用している部品の特性から判断します。例えば電解コンデンサ。この部品は耐圧性や耐熱性、リーク電流特性や寿命が製造メーカーによって大きく異なります。一般に日本製は特性が良好ですし粗悪品を市場に流しません。日本製は信頼性があるので、例えば “Seasonic” や “ニプロン” などの高品質電源を作っているメーカーは “全ての電解コンデンサが日本製” と謳っているほどです。実際に80PLUS PLATINUM認証だけれども品質の悪い電源というものは存在し、ずさんな品質管理の下で製造された安い内蔵部品を使っていたらすぐに壊れてしまいます。

上記の理由により、まずは品質の良い電源を製造する(と信頼されている)メーカーを選びます。ここで注意しなければならないのは、販売メーカーではなく製造メーカーを確認するということ。電源は一般にOEM供給が主流で、メーカーはシールを貼るのが仕事です(語弊がありますすみません)。例えばCorsair電源はOEM元がFlextronicsとSeasonicとCWTの3社であると言われており、どのOEMメーカーの電源なのか?によって品質が大きく異なります。OEMメーカー一覧と評判についてはこちらが分かりやすいと思います。私はまずOEMメーカーをSeasonicに決めました。

選定その2:電源容量を決める
電源容量は電源で唯一定量判断できる箇所です。個人的には500W程度あれば十分だと思いますが、念のため皮算用計算機で消費電力を見積もっておきましょう。よく「 必要以上の電源を選ぶと電気料金が上がってしまいませんか?」と悩む人が多いですが、結論から言うと殆ど上がりません。ミクロで見ると消費電力は上がっていますが、電気料金に対しては誤差の範囲内です。それは何故か?電源は交流100V/50HzをAC-DC変換をしたり、各電源系統にDC-DC変換をかけるわけですがこの “変換” には効率という概念があります。コンセントの100V/50Hzを直流に変換する電源は一種のエネルギー変換なので、少なからず損失が発生します。電力変換の場合は消費電流-効率特性カーブから効率が決まります。一般に総容量に対して50~60%くらいが最も変換効率が良いと言われており、構成に対してオーバースペックな電源を使うと負荷率が低いところでの運用になるので変換効率が若干悪くなり、その分だけ僅かに消費電力が上がる……それだけです。限度はありますが、1200Wとかを買わない限りほぼ大は小を兼ねると考えて良いでしょう。

選定その3:販売メーカーと型番を決める
ここまで来れば価格コムの評価の高いものの中から予算と相談して決めれば良いと思います。色々と悩んだ末にOwltechのSSRシリーズ550Wにしました。電源型番からOEM供給元確認をするならPSU Review Database – RealHardTechXが良いと思います。個人的にはCorsairが好きなのですが、Corsair販売のSeasonic電源は高過ぎ。笑 最近は商品レビューをYoutubeで見れるのが良いですね。OwltechのSSRシリーズにはSeasonicと書かれたイカした結束バンドが入っていることが分かり、これが決め手になりました。笑

光学ドライブ

選定品:Pioneer BDR-209XJBK/WS2

今回の問題を引き起こした容疑者。開け閉めするとほぼほぼ落ちるので、どこかがショートしていて大電流を引いていると予想。これが繰り返され12Vラインを焼き、定期的に落ちるようになったのだろうか?と考えています。2000円程度で購入したバルク品なのでむしろ8年持ったのは凄い。

光学ドライブは選定も何もないですが、今回はBlu-rayメディアの読み書き可能なものを選びたいです。そうなるとPioneer製の光学ドライブがリーズナブルで人気があることが分かりました。現状2製品あるようですが、その差はBDXLへの対応有無。BDXLとは2010年6月に策定されたBlu-rayディスクの新規格で、ディスクの記録層が従来の最大2層から3~4層になり、2倍以上のデータを保存できるようになったそうです。ここにきてやっと機器側の対応が追い付いたということで、必要ないかなと思いつつも1000円程度の差なのでBDXL対応製品にしました。

CPU (&Graphics)

選定品:Intel® Core™ i5-6500 Processor

8年前はi7が出たてホヤホヤでi5なんてありませんでした。現在使っているi7-920が、今で言うi5の位置づけみたいですね。i5-6500は第6世代 14nmプロセスのSkylake!!いや~シビれますね。i7-920なんて第1世代ですから。

話は逸れますが、開発コードネームって格好良いですよね。モノ作りメーカーだと一種の文化になっているそうですが、確かに14nmプロセス マイクロアーキテクチャプロセッサなんて社内で呼びませんよね。一番格好良いと思ったのがNVIDIA社のGPUコア。物理学者の名前を取っています。Maxwell(マクスウェル)やPascal(パスカル)、物理史学が好きな自分はちょ~~シビれます。ただ、社内でマクスウェルはパスカルより上だぞ!なんて話にはならないんですかね。過去の偉人に優劣付けるつもりはありませんが、マクスウェルはマニアには相当人気ですからね。

話を戻してCPU選定背景ですが、私の用途では、その時代のスペックリストを見て中くらいを選んでおけば十分過ぎるくらいです。価格にすると2万5千円程度でした。トップを見ると50万円近くするので、あなたがもし3Dゲームを多重起動してマクロを走らせながら3Dレンダリングソフトでお絵描きするくらいでしたらi5-6500程度で問題ないと思います。上のものはいわゆる産業用ですね、科学技術計算とかで使われます。

今回悩んだのは内蔵グラフィクスって、性能はどの程度なんだろう……ということ。要はグラフィックボードの購入可否判断です。最近は3Dゲームをすることもなくなりましたし、i5-6500の内蔵グラフィクスが今使っているRadeonのHD5770に近い性能ならグラボは買わなくて良いと判断します。

i5-6500に積まれているHDGraphics530で、デスクトップPC「グラフィックスカード性能比較表」を見ると性能はGeForce GT730以上、Radeon R7 240以下であることが分かります(RadeonはHDシリーズは終わっちゃったんですね……悲しいです)。それじゃまず下から見ていこうということで、GeForce GT730とRadeonのHDシリーズ比較表を見てみると、、、GT730はHD 5770の上位互換であるHD 7770と同等性能Σ(゚Д゚;)!! これはそもそもグラボ付けない方が性能良いですね。半導体製品のここ8年間の進歩は凄まじいことを実感させられました。HD 5770も当時は高かったんだけどなあ。

VRAM容量は販売メーカーに依るので一概には言えませんが、内蔵グラフィクスはそもそもVRAMを持っていないようです。どうもDRAMを使用するようなので、そこそこの容量のDRAMを積まないといけないとのこと。ここが内蔵グラフィクスのウィークポイントですね。

マザーボード

選定品:ASUS H170 PRO GAMING

CPUアーキテクチャはSkylakeに決まったので、ここはあまり悩むことろではありません。CPUソケットがLGA1151という形状のものに限定されますので、好みのチップセットを選んだら、後はOC(オーバークロック)の有無やUSB3.0のポート数で選べば良いだけです。

チップセットはIntel Z170かIntel H170かで相当悩みました。具体的にはZ170 PRO GamingとH170 PRO Gamingのどちらにしようかと悩んでいました。チップセットの違いは【Intel Skylake】Z170, H170, B150, H110チップセットの違いについてが詳しいですが、大きな違いはOCの有無、マルチGPUの有無のようです。拡張性を考えるとZ170なんですよね。ただ、やっぱりPCは長く使っていたい。この先10年は使いたい!笑 OCは多少なりとも寿命を縮めますので、自分に枷をかける意味でもOCのできないH170を選ぶことにしました。

安いH170 PROではなくH170 PRO Gamingにした理由ですが、H170 PROには光デジタル音声出力端子、USB3.1 type-C端子が付いていなかったためです。

メモリ

選定品:Corsair CMK16GX4M2A2133C13

CPUアーキテクチャーがSkylakeなのでDDR4に限定されるわけですが、まずメモリにはチップ規格というものがあります。下記表に代表例を示しますが、規格で転送速度が変わります。

メモリチップ規格     メモリモジュール規格     動作周波数     転送速度
DDR4-2133     PC4-17000     2133MHz     17.06GB/s
DDR4-2400     PC4-19200     2400MHz     19.2GB/s
DDR4-2666     PC4-21300     2666MHz     21.3GB/s

Skylakeは2133までしかサポートしていないので、2400や2666はメモリOCということになります。つまりZ170チップセットでないと使用できません。H170なのでOCはしないためDDR4-2133にして、また内蔵グラフィクスを使用するので16GBを探していたら……なんとCorsair製のメモリーがあるじゃないですか。電源は高価だったので泣く泣く諦めましたが、こちらは16GB(8GB×2)で他メーカーとの価格差もそこまでなかったため一発でこれに決めました。

また度々問題になるCPUクーラーとの干渉問題。自分はCOOLERMASTER V8 GTS RR-V8VC-16PR-R1というとても大きな(完全に見た目で選んだ)CPUクーラーを使っているので不安でしたが、スペックを見る限り大丈夫そうでした。高さ166.5mmまでいけますね。

これ

よし!大体パーツが決まったので6月中に買いに行こう。改めて感じましたが、自作PCの世界は面白いなあ。お金に余裕があったら水冷ポンプも買ってみたかったんですけどね。