mini-ITXにダウンサイジングするか否か

移転前のサイトからの転記です。日付は当時のものを使用しています。文言などは若干修正を入れています(7年前なので表現が若くて恥ずかしい)。


今年2月末に引っ越しましたが、デスクトップPCがとにかく大きくて重くて邪魔なことを再認識しました。ケースはCooler Master製のHAF922というもので、当時は “大は小を兼ねる” と考えて購入したものです。以下画像の通り結構なサイズがあり、重量に至ってはケース単体で重量8.7 kgもあります(普通のATXケースの2倍近くに相当します)。

そこで小さめのケースに買い換えようと考え秋葉原を散策してみましたが、想像よりずっと小さな “mini-ITX” の展示に心惹かれました。機能と引き換えにはなりますが、mini-ITXへのダウンサイジングも視野に入れて店員さんから情報収集。店員さんによると、最近はmini-ITXにも各社ハイエンドモデルを出しているのでメインに使っている人も多いそうです。パーツは1年ほど前に、Win10に合わせて換装してしまいましたが、必要最低限の構成なのでマザーボード交換だけで済みそうです。

ATXケースを買う場合

今のパーツをそのまま載せ替え可能です。ケースはCorsair製のCrystal 460X RGBにしたいと考えていました。高さ・奥行きともに今のケースより10cm程度小さくなり、重さは半分になります。強化ガラスを使用しておりデザインも綺麗です。

このケースには RGBモデルというものがあり、5000円ほど高くなりますがCorsair製のSP120 RGB LEDという定価¥2,500ほどのファンが3つ付いてきます。このファンはモータ電源ピンとは別にLEDコントローラに接続する制御ピンがあり、点灯させたく無い場合はその制御ピンを外せば良いので使い勝手は良さそうです。LEDコントローラはRGBモデルのみPCケース内蔵のようです。学生の頃には買えなかったCorsair製ケース、憧れのよう気持ちがあります。

mini-ITXにダウンサイジングする場合

マザーボードの交換が必要です。現在使用のCPUのソケット形状はLGA1151でメモリは2枚、PCI-eはグラボのみ(PCI Express 3.0 x16)なので、これらをサポートするmini-ITXボードはいくらでもありました。と言うか、USBやEthernetなどの外部I/Fも豊富でIEEE 802.11acのWLANまでデフォルトで付いているので、今のATXマザーよりも機能豊富です。普通に考えればそのままパーツを載せ替えれば良いだけですが、店員さん曰く、CPUに高負荷をかける場合はVRMフェーズ数・品質を気にするべきとのことでした。私はOCこそしないものの、動画のエンコードを1晩回すこともありますし、この先RTLのコンパイルやDeepLearningにもこのPCを使おうと考えているため無視できないコメントでした。

私も初めて知ったのですが、VRMとはVoltage Regulator Moduleの略でマザーボード上の電源回路構成のことを言うようです。確かにCPUは電源から供給される12V, 5V, 3.3Vよりもずっと低い電圧で動くので、複数の電源回路をCPU周辺に積んでいるはずです。店員さんの言っていたフェーズについての解説は電源 VRM フェーズ数ってなんなのかハイエンドマザーとローエンドマザーのVRMの違いで詳しく説明されていましたが、電源回路の良し悪しはフェーズ数で決まるわけでもなさそうです。結局、CPUに高負荷を掛けるとそれだけ大電流が流れて電源のリプルとかドロップが無視できなくなるため、コンデンサやFETで補償回路を作る必要があるわけです。ただmini-ITXはレイアウト面積に制限が多いですから、ユーザーに見える(仕様として開示される)回路を優先し、電源周りがお粗末になりがちだよねっていう話のようです。

電源周りの構成はスペックシートに書かれないですから、製品ページ等で電源周りの品質をアピールしている製品を積極採用すると良いようです。またフェーズ数はCPU周りの電解コンデンサ、FETを数えることでも大体予測が付けられるそうです。そこで店員さんに紹介されたものがASUSから最近出たSTRIX B250I GAMINGでした(¥15,000前後)。

上位モデルにはZ270iやH270iもありますが、OCはやらないのでB250モデルで済みます。にも関わらず¥25,000以上するZモデルと電源回路構成は変わらないらしく、自分の用途に完全にマッチします。

それと気をつけるべき点はCPUクーラーの選び方。まずmini-ITXは裏面にも部品が多いためバックプレートタイプは不可。次にI/Fパネル、PCI-eスロットが近いため干渉も多いらしいです。今使っている “白虎” はそこまで大きくないため多分大丈夫かと思いますが、購入の際には要確認です。

追記:2017/06/25

結局、ダウンサイジングは見送ってCorsair製のCrystal 460X RGBにしました。やはり新調して1年程度のマザボを取り替えることに躊躇してしまいました。強化ガラスが格好いいです。そしてとっても軽くて使いやすいケースになりました。

次は絶対にmini-ITXにすると思います。ただ、また10年後とかでしょうか。その頃はもう30代です。